服従と反抗のアーシューラー 現代イランの宗教儀礼をめぐる民族誌

谷憲一/著

発売日:2023年4月

  • 服従と反抗のアーシューラー 現代イランの宗教儀礼をめぐる民族誌
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ページ数
208,10p
ISBN
978-4-588-33602-7
著者情報
谷 憲一(タニ ケンイチ)
1987年、東京都生まれ。2021年、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(社会学)。専門は文化人類学およびイラン地域研究。現在は、オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)客員研究員(笹川平和財団フェロー)、上智大学アジア文化研究所共同研究所員

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商品説明

本書で取り上げる宗教儀礼の担い手となる人々もまた、「体制のイデオロギーとしてのイスラームに従順な人々/それに反発する世俗的な人々」という通俗的な二分法にはうまく当てはまらない。彼らはシーア派の儀礼に参加することで体制のイデオロギーに「服従」しているように見える。しかし彼らの生活を詳細に見ていけば、そこから逸脱し「反抗」する側面が見いだされる。本書は、宗教儀礼の担い手となっているような「普通の人々」の実践の両義的なあり方を記述することを通じて、それに体現されているイラン社会の両義性を提示する。

1979年の革命以降、イスラーム国家として国際政治的に独自路線を貫くイラン。しかしホセイン追悼儀礼の実践にみられるように、人々の身体性はときに権威主義体制への服従を超えた過剰性を発露する。音文化の統制下で行われる胸叩きやダンス、隣国イラクの聖地カルバラーへの巡礼、禁止された自傷儀礼など、統治と抵抗がせめぎあう両義的な生の現場を、参与観察を通じて鮮やかに描く意欲作。

目次

はじめに
凡 例

序 章 道具主義と言説的伝統の間で

一 問題の所在
 1 カルバラー・パラダイムと道具主義的説明
 2 言説的伝統としてのカルバラー・パラダイム
 3 道具主義と言説的伝統の間で

二 理論的視座
 1 国家に抗する共同性
 2 言説に抗する身体性
 3 二つの弁証法

三 本書の構成

四 資料および民族誌的データについて

第一章 イランにおけるシーア派宗教儀礼の概要

一 シーア派と儀礼

二 追悼儀礼とイランにおける儀礼の発展
 1 シーア派の形成とカルバラーの悲劇
 2 イランにおけるシーア派の発展
 3 儀礼の開催単位としてのヘイアト
 4 テヘランの形成とヘイアト

三 現代テヘランのアーシューラー
 1 モハッラム月のテヘラン
 2 路上行進儀礼と鎖叩き
 3 追悼儀礼の作法

四 地域生活に根づいた宗教儀礼

第二章 音文化の規制と儀礼の拡張

一 音文化としての儀礼

二 イスラーム共和国における音文化の規制をめぐる攻防
 1 イスラームと音楽
 2 許容される音楽の範囲の拡大
 3 革命以後のダンスをめぐる政治

三 哀悼歌と胸叩き儀礼の境界
 1 胸叩き儀礼と「新しい様式」
 2 大規模な胸叩き集会
 3 ポピュラー音楽と哀悼歌の連続性

四 儀礼の拡張

第三章 国家と宗教が交錯するカルバラー巡礼

一 再開された儀礼

二 カルバラー巡礼の歴史的概要
 1 教義としての巡礼
 2 かつてのカルバラー巡礼とイラン
 3 中断、そして再開へ

三 現在の巡礼路と宗教的共同体の形成
 1 国家の領域外の巡礼< ほか

商品詳細

出版社名
法政大学出版局
サイズ
22cm
フォーマット
単行本

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